「天災から日本史を読み直す」先人に学ぶ防災

中央公論新社刊 磯田道史著

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地震大国と言われる日本。

昔から天災にみまわれていた我国の人々はどのように受け止めて来たのか。

歴史的にどのように影響があったのか。

そして最も大切なのは、過去の経験を教訓とすること。

 

著者の磯田道史氏は、『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』のちに映画「武士の家計簿」を書いた方としてご存知の方も多いと思います。

 

一般的にはこの武士の家計簿で有名な磯田さんがいきなり防災史と言うのは違和感を覚えるかもしれません。

しかし、そのあたりはご自身に天災をかいくぐってきたDNAがあるとおっしゃっています。

母方は代々天災を生き延びた経験の家系である事。

その事実がなければ自分は生まれてこなかった事。

その為過去に起こった天災に強い関心があり、

学生時代から古文書など災害についての資料を集めて来たそうです。

地震や津波に過去あってきた土地に住んでいるからこそ語り継がれてきた経験や言い伝え。

災害を避ける、乗り越える知識を伝える意味があるとの思いのようです。

 

古くは天正地震(1586)、慶長伏見地震(1596)、宝永地震(1707)が歴史に与えた

影響などを指摘しています。

高潮、台風、土砂崩れなど近代の災害から東日本大震災までを文献や経験者からの情報で災害にせまっています。

 

因みに津波に関して過去の災害のデータからみると、

やはり老人についで乳幼児が助からない確率が多いようです。

学齢に達した6歳以上の子供は助かり、

5歳までの乳幼児は自力で乗り切るのは困難とされます。

人は足が津波に30センチ以上浸かると動けなくなり、1メートル以上の津波にまかれると大人でもほとんどの人が逃げられなくなるそうです。

たった30センチと思ってしまいますよね。

どんどん水嵩が増す中では歩行が困難になりますが、

引き潮と言うのはもっと怖く並大抵の力ではあらがえないそうです。

あきらめずに少しでも高いところへ避難することが生命を左右することになるそうです。

子どもにとって水の力はたった数十センチでも命取りの脅威ですね。

 

著書では、乳幼児がいるご家庭へのアドバイスといった実用的な事もかかれています。

「人間は現代を生きるために過去をみる。

歴史は生きる人間のものではないか、」

と言う著者の言葉が災害に対しても当てはまるのではないでしょうか。

 

明日を前にして天災について磯田道史さんの著作で振り返らせていただきました。

最後までお目通し下さってありがとうございます。

 

また次回!